古代山城研究会代表の向井一雄氏の新刊
『よみがえる古代山城: 国際戦争と防衛ライン』(歴史文化ライブラリー440、吉川弘文館、2017年)
に、神籠石を巡る話が取り上げられていたのでお知らせします。
全体を通しての所感はAmazonレビューに書いたのでそちらをご参照ください。
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この内のp28-p35が「神籠石論争顛末記」と題され、神籠石が「イワクラ(磐座)」かどうかについて頁を割いているので、磐座に関心のある方は一読をお薦めします。
交合石、皇后石、皮籠石など、様々な表記をされる「こうご」「かわご」石は、その名前の意味、性格を巡って、岩石信仰の1つの謎としていまだ横たわっています。
僅かですが、神籠石が何かであるかについて、向井氏からヒントとなる考えも若干踏みこんで記されています。
今後、このテーマに対してさらに本格的な論考が発表されることを待ちたいと思います。
個人的には、すべてが「磐座」の一語に収斂されるような存在なのかを疑問視しています。
そうであるなら、そもそも「こうご」「かわご」で一括されるグループとして生まれずに、磐座の語でまとめられていればいいからです。
機能論的な角度だけからではなく、発生当時の歴史的背景の中で論じられると、それは他の岩石信仰の歴史解明にも寄与するのではないかと、期待しています。
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