和歌山県有田郡有田川町出339

田殿丹生神社の背後の山を白山といい、山頂に白山神社をまつる(境内社)。
周囲の山々がみかん畑で開墾されている中、よく社叢が保たれている秀麗な三角山である。

山腹に、屹立する巨岩(写真左)と、剥き出しの岩崖(写真右)が見える。
白山の名前に偶然か相応しく、陽光に白く反射する岩々である。

明治時代の絵図にも、その三角の山容が描かれている。
この絵図にこう記されている。
「当丹生神社は上古丹生都比女之大神本国伊都郡奄太村(今の慈尊院村)の石に天降り坐して当所夏瀬の森にご遷幸あらせられしにより、垂仁天皇の朝宮造りせし社頭なりしと旧記に見ゆ」(新字体、ひらがなに適宜修正)

夏瀬の森とは、田殿丹生神社が鎮座する場所から南にかけての社叢一帯のことをこう呼んできたそうである。
「夏瀬の森で白山を御神体として崇拝していましたが応仁天皇の御代初めて立派な社殿が建立されました」(社頭掲示より)
白山のあれほどの巨岩群であるが、文献・伝承としては何も伝わっていないが、上記のとおり白山自体が神山であることは間違いなく、岩も構成要素の一つとして含めた山全体が、神の顕現として崇められたものだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿
記事にコメントができます。または、本サイトのお問い合わせフォームからもメッセージを送信できます。