三重県鈴鹿市小岐須町
小岐須渓谷の山中、御幣川の南岸に高さ113mの石灰岩の岩山があり、これを石大神(しゃくだいじん)と呼んでいる。
『延喜式』神名帳に記載される「鈴鹿郡岩神社」の論社である。
地元の伝説では、第31代敏達天皇がここに行幸した時、岩山の上に天照大神が出現したことから、敏達天皇は神器・古鏡・勾玉などを埋納して遥拝したと言い伝えられる(祓塚というものがあるという)。
さらにこの時、白髪の翁が御幣川で鮎を釣ってこれを伊勢神宮に捧げたことから、以後、御幣川の鮎は伊勢神宮に捧げる「御贄」になった。安政2年(1855年)の御贄神事の記録も見つかっている。
慶長19年(1614年)、石大神から神宮の御札が降ってきて近在の人々は喜び踊ったという。
一時期は岩山の上に祠をまつっていたというが、明治時代の神社合祀の影響で椿大神社の管理となり、今は椿大神社の別宮となっている。
石大神の周囲は石塊の採掘が盛んに行なわれており、景観の損傷が著しい。
石大神の性格は、3つの類型の複合と考えられる。
- BAABA類型.岩石の上に神が降臨した磐座(敏達天皇行幸時の伝承による)
- BAABC類型.岩石の上に置かれた祠に神宿る磐座(一時期石大神の上に祠をまつっていたことから)
- A類型.信仰対象(岩山そのものを石大神と呼んで信仰していることから)
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