岐阜県高山市上三之町82番地 飛騨民族考古館内展示
岐阜県飛騨市古川町高野
飛騨民族考古館に展示されている蛤石
石の表面が粒状の模様で埋め尽くされ、球状閃緑岩(ナポレオン石)という稀少石である。
飛騨市古川町高野の古川城(通称 蛤城と呼ばれ、蛤石があったことに由来する)に、蛤石と呼ばれる雌雄2体の奇石があった。
2体の蛤石は、夜更けに白気やうなり声を発するとして、人々から不思議な石だとして恐れられたという。
古川城の廃城後、新たに高山城を築いた金森長近がこの蛤石の噂を聞き、高山城に移設させようと人夫に運ばせたが、石はどんどん重くなって道中でピクリとも動かなくなったばかりか、ブーンブーンとうなり声を上げるので人夫は恐がり、金森長近もあきらめて石を元の場所に戻すように命じたという逸話がある。
ちなみに戻す段になると蛤石は急に軽くなったという。
その数十年後、長い日照りがあり全く雨が降らなかったので困った村人達が、蛤石を川の下に沈めてみてはどうか、何か起こるかもという思いで雌雄の片方を沈めてみたところ、すぐに大雨が降ったという。
その後、お互いバラバラになった蛤石から白気やうなり声などの変異は起きなくなった。
雌雄の内、川に沈められた方はその後いつの頃かに引き上げられ、なにかしらの経緯かを経て、飛騨民族考古館に所蔵展示されている。もう一方(沈められなかったほう)は、古川城跡に今も現存する。
蛤石は地質的に考えてこの場所に露出する自然石ではなく、飛騨の産出地のどこかから人為的に持ってこられたものだと考えられている。
出典
野沢保・下坂達哉・石原哲弥・下畑五夫 「飛騨古川町の蛤石」(「(独)産業技術総合研究所 地質調査総合研究センター」サイト内) 2009年6月14日アクセス「蛤石の伝説」・「蛤石を発見:伝説の石を探し出せ」(やまてつさん 「恵比寿の郷」サイト内) 2009年6月14日アクセス
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