2018年5月2日水曜日
福良八幡宮/福良八幡神社(兵庫県南あわじ市)
兵庫県南あわじ市福良に鎮座する、福良地区の産土神。
境内に「陰陽石」がある。
「往昔福良の浦人 鳴門の海より陰陽石を求め ここ八幡鎮守の聖地にまつる 郷人すべて日夕これを礼拝祈願すればその霊験あらたかなるべし」(現地看板より)
海中より出た石を祭祀の石とする文化は、千葉県印西市の世直し石尊、岐阜県各務原市の御井神社神璽、京都市北区松ヶ崎町の岩上神社などに類例がある。
陰陽石に隣接して「跨石(またげいし)」もある。
京都市右京区の梅宮大社にも「またげ石」があり、そちらは石をまたぐと子を授かるという霊験をもつことから、当地の跨石も共通した信仰形態と推測される。
上写真の樹木後ろ、社殿玉垣の角に見える岩塊は、地元の方いわく経塚とのこと。
女神輿を保管する倉庫前にあるこの石も経塚とのこと。
神職さんは不在だったが、この地元の方は福良八幡宮について詳しい方で、神社のあれこれをうかがうことができた。
上写真の経塚後ろには女神輿が2基収納されているが、神輿の御神体は海中からとれた丸石だったと教えていただいた。
石は布にくるまれ、石そのものを見ることはできなかったらしい。
また、この2つの石は個人所蔵であり、ある時期からその石を宅内から持ち出すことは許されなくなったそうである。
神社や神輿の御神体がこのような石であったという話は時折見聞きする。
これらの石を岩石信仰に含めると事例数は膨大に膨れ上がると予想されるが、名もなき石であること、ご神体の特性上秘匿されることから、記録としてたどるのは至難の業だと思われる。
しかし、誰も調査していない(=歴史の消失につながる)一大テーマではないか?
福良八幡宮に隣り合う住吉神社では、鳥居横に岩盤が露出している。
隣家の方が大切にお手入れされているという。
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