"一番有名な磐座は何ですか?"
"代表的な巨石を教えてください"
今回の記事では、このご質問にお答えします。
そう思ったきっかけがあります。
代表的な磐座を紹介しているwebページを最近見たのですが、そこで第一に挙げられていたのが奈良県桜井市の與喜天満神社の鵝形石でした。
何をもって磐座の代表格とするかは意見が分かれるところでしょうが、この鵝形石はさすがに全国の磐座愛好家の異論噴出では、と要らぬ心配をしてしまいました。
(鵝形石が悪いわけではありません、あしからず)
これはおそらく、Wikipediaの「磐座」の参考画像が鵝形石だからですね(2019年2月時点)。
おそらく、Wikipediaの写真=代表格という基準で選んだのだろうと思います。
そこで、諸説分かれるこの「代表的な磐座」問題に終止符(大げさ)を打つべく、今までされたことがないアプローチで迫ってみました。
"磐座・巨石の関連本で、収録されてきた数が一番多い場所が「代表格」ではないか?"
各専門家がこぞって取り上げる磐座であれば、読者への露出も多く、認知度という意味でも文句なしなのではないか、と考えました。
1.藤本浩一氏『磐座紀行』向陽書房 1982年
まずは、磐座ガイドの最古典とも言っていい『磐座紀行』です。
昭和時代、全国の磐座を独自の情報収集で渡り歩き、紙媒体に仕上げたほぼ唯一の労作でしょう。取り上げないわけにはいかない本です。
インターネット夜明け前の「代表的な磐座」はここに収められています。
2.ムー特別編集『日本ミステリー・ゾーン・ガイド<愛蔵版>』学習研究社 1993年
オカルト雑誌『ムー』の特集本で、いわゆる超古代文明の証拠というアプローチで、日本全国の磐座・巨石が収録。
『磐座紀行』はやや専門向けの書籍なのに対し、こちらは1990年代の世論を正しく反映する「有名な巨石コレクション」と言っていいでしょう。
3.浅野勝洋さんのwebサイト「しゃこちゃんのお部屋 遺跡と神社を巡る旅」1998年~
1990年代後半になると、インターネット上で「巨石サイト」が登場します。
数ある巨石サイトの中で、黎明期から存在して網羅的なウェブサイトを一つ挙げるとするなら、私はこの「しゃこちゃんのお部屋」を推します。
私自身、高校生の時に「しゃこちゃんのお部屋」を見て、日本全国の知らない磐座や巨石をたくさん知ることができました。なかば、思い出のサイトなのです。
ネットの情報も「有名な磐座」を決めるための大事な目安になりますので、今回は同サイトをデータベースにさせていただきます。
4.須田郡司氏『日本の巨石―イワクラの世界―』パレード 2008年
ここから時代がぐっと下がって2008年。
日本の磐座巨石写真家の第一人者・須田郡司さんの著作から1冊選ばせていただきました。
須田さんの写真集の中では、日本の巨石・磐座を写したものとしては初期作に属し、表紙の三重県入道ヶ嶽の仏岩は出色の出来。
須田さんが初期作で収録したいと思った場所は、代表的な磐座群とみなしていいでしょう。
5.アスペクト編集部『巨石巡礼―見ておきたい日本の巨石22―』アスペクト 2011年
出版社のアスペクトが選定した「日本の巨石22か所」。
本書の位置付けからして、広く一般層に日本の巨石の世界を知ってほしいという意図で発売されたガイドブックだと思います。
今までと毛色が違うのは、1~4はすべて"業界人"の手によるものでしたが、アスペクト編集部は言ってしまえば"業界に染まっていない眼"ということ。
こういう視点で選ばれた「磐座代表」も参考にしたいところですね。
6.岡田謙二氏『日本のパワースポット案内 巨石巡礼50』秀和システム 2011年
岡田謙二さんのwebサイト「巨石巡礼」を書籍化した本です。モノクロ写真で統一されたその雰囲気が、巨石に独特の風合いを感じさせてくれました。
なぜか、アスペクトが出した巨石本と発行年(2011年)・タイトル(巨石巡礼)がかぶりましたが、岡田さんのサイトは2005年オープンとこちらのほうが老舗です。
「日本のパワースポット」の冠名がついているように、この時はもうパワースポット・スピリチュアルブームが席巻していました。
このあたりの世相も踏まえて、代表的な磐座の位置付けも変化してきたように思います。
7.池田清隆氏『磐座百選』出窓社 2018年
さて、2018年まで来ました。
7つ目に挙げたいのは、池田清隆さんの『磐座百選』です。
まさに本記事と重なり合う趣旨で、磐座を半生渡り歩いた池田さんが、代表的・典型的と思う磐座を100カ所選定しました。
選定基準も明記されており、同書から引用します。
8.山村善太郎氏『IWAKURA 磐座―悠久の日本人のこころ―』求龍堂 2018年
最後の1冊は、山村善太郎氏の写真集『IWAKURA 磐座』をエントリーします。
本日執筆時点で最新の磐座巨石本と言ってよく、須田さんとはまた異なる視点での選定眼を取り入れたいと思います。
以上7冊1サイトの計8つで取り上げられた磐座・巨石を集計していきます。
なお、私の旧ウェブサイト「岩石祭祀学提唱地」(2001年~)と、本『岩石を信仰していた日本人』(2011年)は、公平性を期して完全除外します。
集計結果をまとめたのが下の表です。リストアップ合計499ヶ所。自由に閲覧できます。
「磐座巨石本の掲載場所まとめ」(Googleスプレッドシート)
次に、集計しての傾向を述べたいと思います。
『磐座紀行』
著者の藤本氏は関西を活動圏としていたためか、東日本の掲載事例は少なく西日本に偏りがち、特に兵庫県の事例はマニアックなものも含めて多い。
また、当時は磐座=神道という固定観念も強かったと思われ、神道系の聖地が多い。
時代事情を考慮すれば、じゅうぶんすぎるほどの掲載量なのは間違いありません。
ムー『日本ミステリー・ゾーン・ガイド』
ムーなので、日本ピラミッド、超古代文明オーパーツ的な場所が多い。
しかし、一方で民俗的なスポットもカバーしており侮れません。
地域的な偏りはなく、西日本編・東日本編にバランス良く紙幅を分けています。
しゃこちゃんのお部屋
運営者の浅野さんは東北→関東をお住まいにされているので、東日本側の掲載量が多め。
関心のひとつが縄文時代にあるようなので、環状列石やストーンサークルが多く紹介されているのが特徴です。
『日本の巨石』
須田さんが沖縄に在住していたことや、御嶽との出会いで聖地の写真を撮るようになったという経歴もあり、沖縄県の事例がまず突出しています。
そして、気に入った場所はページを複数に分けて写真を掲載しています。 高知県の唐人駄馬巨石群や、佐賀県の巨石パーク(下田の石神群)。イワクラサミットin宮崎の時期と近いので宮崎の磐座・巨石なども。
また、福島県の宇宙岩や奈良県の長寿岩など"新しいイワクラ"も登場。
アスペクト『巨石巡礼』
「22か所」掲載ということで、今回挙げた8つの中では最も厳選されている書籍。
今回の集計では、本書に掲載されているかどうかが票数を大きく分けました。
岡田さんの『巨石巡礼』
アスペクト版より倍以上多い50か所を掲載。
活動圏が東日本なので、中国~九州地方の事例はやや寂しいところもあります。
『磐座百選』
先述の選定記述のとおり、各都道府県から平等に1ヶ所以上が紹介されており、分布の偏りは8つの中で最もない文献。
記紀・風土記や古典などからの選定も多いので、自然と時代が古めの社寺や遺跡が多くなっています。
『IWAKURA磐座』
リストアップして気づいたのが、全国各地の夫婦岩の収録数の多さ。
山村氏の興味関心の中心なのではないかと感じられました。
それでは結果発表いたします。
さっそく、一番収録数が多かったNo.1の場所を発表しましょう。
前掲のスプレッドシートでフィルタリングしたスクリーンショットを掲載します。
8つすべてに掲載されている場所は・・・ありませんでした!
主にアスペクト『巨石巡礼』のせいです(笑)。22か所選出なので。
しかし、それ以外の7つに全掲載されているというだけで、じゅうぶん「代表格」と呼べるのではないでしょうか?
それが2ヶ所。同率1位。
花の窟神社(三重県)と磐船神社(大阪府)です。
"代表的な巨石を教えてください"
今回の記事では、このご質問にお答えします。
そう思ったきっかけがあります。
代表的な磐座を紹介しているwebページを最近見たのですが、そこで第一に挙げられていたのが奈良県桜井市の與喜天満神社の鵝形石でした。
何をもって磐座の代表格とするかは意見が分かれるところでしょうが、この鵝形石はさすがに全国の磐座愛好家の異論噴出では、と要らぬ心配をしてしまいました。
(鵝形石が悪いわけではありません、あしからず)
これはおそらく、Wikipediaの「磐座」の参考画像が鵝形石だからですね(2019年2月時点)。
おそらく、Wikipediaの写真=代表格という基準で選んだのだろうと思います。
そこで、諸説分かれるこの「代表的な磐座」問題に終止符(大げさ)を打つべく、今までされたことがないアプローチで迫ってみました。
"磐座・巨石の関連本で、収録されてきた数が一番多い場所が「代表格」ではないか?"
各専門家がこぞって取り上げる磐座であれば、読者への露出も多く、認知度という意味でも文句なしなのではないか、と考えました。
磐座巨石本のエントリーはこちら
すべての関連本を調べるのは大変なので、エントリー作品を次の8つに絞りました。1.藤本浩一氏『磐座紀行』向陽書房 1982年
まずは、磐座ガイドの最古典とも言っていい『磐座紀行』です。
昭和時代、全国の磐座を独自の情報収集で渡り歩き、紙媒体に仕上げたほぼ唯一の労作でしょう。取り上げないわけにはいかない本です。
インターネット夜明け前の「代表的な磐座」はここに収められています。
2.ムー特別編集『日本ミステリー・ゾーン・ガイド<愛蔵版>』学習研究社 1993年
オカルト雑誌『ムー』の特集本で、いわゆる超古代文明の証拠というアプローチで、日本全国の磐座・巨石が収録。
『磐座紀行』はやや専門向けの書籍なのに対し、こちらは1990年代の世論を正しく反映する「有名な巨石コレクション」と言っていいでしょう。
3.浅野勝洋さんのwebサイト「しゃこちゃんのお部屋 遺跡と神社を巡る旅」1998年~
1990年代後半になると、インターネット上で「巨石サイト」が登場します。
数ある巨石サイトの中で、黎明期から存在して網羅的なウェブサイトを一つ挙げるとするなら、私はこの「しゃこちゃんのお部屋」を推します。
私自身、高校生の時に「しゃこちゃんのお部屋」を見て、日本全国の知らない磐座や巨石をたくさん知ることができました。なかば、思い出のサイトなのです。
ネットの情報も「有名な磐座」を決めるための大事な目安になりますので、今回は同サイトをデータベースにさせていただきます。
4.須田郡司氏『日本の巨石―イワクラの世界―』パレード 2008年
ここから時代がぐっと下がって2008年。
日本の磐座巨石写真家の第一人者・須田郡司さんの著作から1冊選ばせていただきました。
須田さんの写真集の中では、日本の巨石・磐座を写したものとしては初期作に属し、表紙の三重県入道ヶ嶽の仏岩は出色の出来。
須田さんが初期作で収録したいと思った場所は、代表的な磐座群とみなしていいでしょう。
5.アスペクト編集部『巨石巡礼―見ておきたい日本の巨石22―』アスペクト 2011年
出版社のアスペクトが選定した「日本の巨石22か所」。
本書の位置付けからして、広く一般層に日本の巨石の世界を知ってほしいという意図で発売されたガイドブックだと思います。
今までと毛色が違うのは、1~4はすべて"業界人"の手によるものでしたが、アスペクト編集部は言ってしまえば"業界に染まっていない眼"ということ。
こういう視点で選ばれた「磐座代表」も参考にしたいところですね。
6.岡田謙二氏『日本のパワースポット案内 巨石巡礼50』秀和システム 2011年
岡田謙二さんのwebサイト「巨石巡礼」を書籍化した本です。モノクロ写真で統一されたその雰囲気が、巨石に独特の風合いを感じさせてくれました。
なぜか、アスペクトが出した巨石本と発行年(2011年)・タイトル(巨石巡礼)がかぶりましたが、岡田さんのサイトは2005年オープンとこちらのほうが老舗です。
「日本のパワースポット」の冠名がついているように、この時はもうパワースポット・スピリチュアルブームが席巻していました。
このあたりの世相も踏まえて、代表的な磐座の位置付けも変化してきたように思います。
7.池田清隆氏『磐座百選』出窓社 2018年
さて、2018年まで来ました。
7つ目に挙げたいのは、池田清隆さんの『磐座百選』です。
まさに本記事と重なり合う趣旨で、磐座を半生渡り歩いた池田さんが、代表的・典型的と思う磐座を100カ所選定しました。
選定基準も明記されており、同書から引用します。
磐座が、神の領域ではなく人の生活空間の境目にある存在と考えたら、高山険所ではなく、足を運ぶことが容易な磐座を取り上げたのは磐座の本義に沿うと思います。
- 各都道府県すべてに一座以上の磐座を選ぶこと。
- だれでも「気軽に」訪ねることができるもの。
- その地域の歴史や風土を色濃く伝承しているもの。
8.山村善太郎氏『IWAKURA 磐座―悠久の日本人のこころ―』求龍堂 2018年
最後の1冊は、山村善太郎氏の写真集『IWAKURA 磐座』をエントリーします。
本日執筆時点で最新の磐座巨石本と言ってよく、須田さんとはまた異なる視点での選定眼を取り入れたいと思います。
以上7冊1サイトの計8つで取り上げられた磐座・巨石を集計していきます。
なお、私の旧ウェブサイト「岩石祭祀学提唱地」(2001年~)と、本『岩石を信仰していた日本人』(2011年)は、公平性を期して完全除外します。
集計方法
- 各文献&サイトに取り上げられている磐座・巨石をリストアップしていく。
- ただし、目次からはじかれていて、例示やコラムなど補助的に出された程度の事例は省いた(磐座の代表格を決める趣旨のため)。
- 都道府県別にまとめ、この8つの中で重複して登場した磐座・巨石を「有名な磐座」として結果発表する。
集計結果をまとめたのが下の表です。リストアップ合計499ヶ所。自由に閲覧できます。
「磐座巨石本の掲載場所まとめ」(Googleスプレッドシート)
中身はこんな感じです。 |
次に、集計しての傾向を述べたいと思います。
各文献の傾向をふりかえる
『磐座紀行』
著者の藤本氏は関西を活動圏としていたためか、東日本の掲載事例は少なく西日本に偏りがち、特に兵庫県の事例はマニアックなものも含めて多い。
また、当時は磐座=神道という固定観念も強かったと思われ、神道系の聖地が多い。
時代事情を考慮すれば、じゅうぶんすぎるほどの掲載量なのは間違いありません。
ムー『日本ミステリー・ゾーン・ガイド』
ムーなので、日本ピラミッド、超古代文明オーパーツ的な場所が多い。
しかし、一方で民俗的なスポットもカバーしており侮れません。
地域的な偏りはなく、西日本編・東日本編にバランス良く紙幅を分けています。
しゃこちゃんのお部屋
運営者の浅野さんは東北→関東をお住まいにされているので、東日本側の掲載量が多め。
関心のひとつが縄文時代にあるようなので、環状列石やストーンサークルが多く紹介されているのが特徴です。
『日本の巨石』
須田さんが沖縄に在住していたことや、御嶽との出会いで聖地の写真を撮るようになったという経歴もあり、沖縄県の事例がまず突出しています。
そして、気に入った場所はページを複数に分けて写真を掲載しています。 高知県の唐人駄馬巨石群や、佐賀県の巨石パーク(下田の石神群)。イワクラサミットin宮崎の時期と近いので宮崎の磐座・巨石なども。
また、福島県の宇宙岩や奈良県の長寿岩など"新しいイワクラ"も登場。
アスペクト『巨石巡礼』
「22か所」掲載ということで、今回挙げた8つの中では最も厳選されている書籍。
今回の集計では、本書に掲載されているかどうかが票数を大きく分けました。
岡田さんの『巨石巡礼』
アスペクト版より倍以上多い50か所を掲載。
活動圏が東日本なので、中国~九州地方の事例はやや寂しいところもあります。
『磐座百選』
先述の選定記述のとおり、各都道府県から平等に1ヶ所以上が紹介されており、分布の偏りは8つの中で最もない文献。
記紀・風土記や古典などからの選定も多いので、自然と時代が古めの社寺や遺跡が多くなっています。
『IWAKURA磐座』
リストアップして気づいたのが、全国各地の夫婦岩の収録数の多さ。
山村氏の興味関心の中心なのではないかと感じられました。
頻出磐座ランキング発表
お待たせしました。それでは結果発表いたします。
さっそく、一番収録数が多かったNo.1の場所を発表しましょう。
前掲のスプレッドシートでフィルタリングしたスクリーンショットを掲載します。
1位は同率2ヶ所(7票)
主にアスペクト『巨石巡礼』のせいです(笑)。22か所選出なので。
しかし、それ以外の7つに全掲載されているというだけで、じゅうぶん「代表格」と呼べるのではないでしょうか?
それが2ヶ所。同率1位。
花の窟神社(三重県)と磐船神社(大阪府)です。
花の窟神社(三重県) |
磐船神社(大阪府) |
こうやって写真を載せてみて気づきましたが、私の写真では実物の空気感をこれっぽっちも表現できていません(泣)
花の窟は写真に収まりませんし、磐船も周囲の社殿や川などとの対比でその場に立たないと、この存在感は表現できません。
行かれたことがない方は、一度現場を訪れてみてください。
磐座・巨石業界の関係諸氏の皆様は、この結果を見ていかがでしょうか?
勝手ながら、私は集計してみてこの2つが最多得票数で表示された時、いろいろ個人的に好みの場所は他にあるものの、名前を見て確かにそうだよねと納得できました。
8分の7という収録数の前に、ぐうの音も出ないというのが正直な感想です。ハッキリわかって良かった。
3位も同率2ヶ所(6票)
3位も2ヶ所です。
筑波山(茨城県)と神倉神社のゴトビキ岩(和歌山県)です。
筑波山(茨城県)と神倉神社のゴトビキ岩(和歌山県)です。
神倉神社のゴトビキ岩(和歌山県) |
これも納得のラインナップだと、私も太鼓判を押します。
筑波山は初めての東日本事例で、事実上、東日本知名度No.1の磐座・巨石と題してOKです。
ゴトビキ岩は、1位の花の窟神社のすぐ近くで、みんな熊野の磐座・巨石に惹かれるのかなあと傾向を感じます。
5位 北海道から大分県まで9か所(5票)
三輪山周辺の磐座群の一つ(綱越神社境内) |
499ヶ所のうち、5票獲得した場所は次の9か所。さすがに数が多くなってきましたね。
忍路環状列石(北海道)
縄文時代環状列石としては、秋田県の大湯環状列石をしのぐ位置となりました。確かに規模も大規模で見ごたえ感は強い遺跡です。
榛名山(群馬県)
神仏習合の雰囲気色濃い、境内一帯が奇岩怪石の山岳聖地。周辺の榛名湖にかけての巨石群を含めると、1日かけても巡りきれないボリュームの濃さも人気の理由か。
金鑚神社の鏡岩(埼玉県)
この選出は私には意外でした。有名な巨石の一つには間違いありませんが、あまり深く語られているイメージがありませんでした。鏡のようなツルツルとした岩肌を見せた奇岩です。
丸石神(山梨県)
山梨県を中心に甲信地方に700ヶ所以上分布するといわれる土着の丸石信仰の場。1個の巨石の大きさではなく、なぜ丸石を信仰したのかという謎に惹かれるのでは。
諏訪大社(長野県)
「諏訪の七石」が有名ですが、それだけではなく、諏訪大祝が即位した時に座ったといわれる石(現在不詳)、裏山の守屋山の巨石群、そしてミシャクチなどの諏訪独特の信仰など、興味関心の入口が多岐にわたっています。
三輪山(奈良県)
磐座の王道とも言える三輪山一帯の磐座群。1位になってもおかしくないと思う同好の士は多いと思いますが、私の仮説では「写真撮影禁止」というのがネック。本にしてもネットにしても、磐座の魅力を物語る画像がなければ表現するのは難しいでしょう。百聞は一見にしかず、その目で見てほしい磐座です。
厳島の弥山(広島県)
日本三景の宮島はそれだけでも一大観光地ですが、厳島神社裏山の弥山には山頂にかけて巨石群が広がります。ロープウェイでアクセスも容易。巨石群横に施設が立ってなければというのは池田清隆さんの言で同感。
下田の石神群(佐賀県)
いわゆる「巨石パーク」です。私は『風土記』の当初の名称を優先したいので、下田の石神表記にしています。巨石に対してどの態度で臨むかが試される場所になった気がします。
京石・こしき石・米神山(大分県)
ここも有名な場所の一つですが、それでもこのラインナップの中に入るとは、予想以上でした。ただ、磐座巨石本によって京石をメインにする場合と、こしき石をメインにする場合と、米神山の巨石群をメインにする場合に分かれている印象です。
代表的な磐座の決定版はこれだ
"磐座で有名な場所はどこですか?"
といわれたら、次の4カ所で決まりです。
1.花の窟神社(三重県熊野市)
2.磐船神社(大阪府交野市)
3.筑波山(茨城県つくば市)
4.神倉神社のゴトビキ岩(和歌山県新宮市)
これまでの関連本の収録実績に基づいているので、自信をもってオススメしますよ。
Wikipediaの磐座の参考写真も、上のどれかにどなたか差し替えておいてください(笑)
(私はWikipediaの編集にタッチしていません)
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