京都府京都市右京区山ノ内宮脇町
山王神社は、滋賀県大津市日吉大社の神霊を白河天皇代にこの山ノ内の地に分祀して創建された。
山ノ内は比叡山延暦寺の寺領地であったことから、比叡山の地主神である山王神として日吉大社の分社が勧請された歴史がある。
山王神社境内の西側に「足跡石・座石」の看板が立てられ、2体の岩石が安置されている。親鸞上人が諸国行脚の折、この岩の上に座り、上人の足跡が残ったといわれる。
神や高僧の腰掛石は全国各地に見られ、その典型的な事例と言って良いだろう。
そして、社殿の前右方には「夫婦岩」の看板とともに、注連縄が巻かれた岩石が控えている。
夫婦岩は、右方の男岩(2m×2m)と左方の女岩(2m×1m)から構成され、その名のとおり陰陽の形状をなす縁結び、安産子授けの霊石である。
具体的な祭祀方法も残っているので、現地看板より以下引用する。
古説によると 両岩を撫でて子授けを祈り 両岩を左より三回廻って安産を祈る習慣がある
嬰児の初宮詣の時には神酒洗米梅干をお供えした後梅干の皮で鼻をつまみしわのよる迄長命で 鼻高出世を祈り 種は女岩中央窪みに納め 神酒を注ぎ 子孫繁栄を祈る習慣は今も伝えられている
現在こそ社殿前に置かれているが、元々は比叡山から飛んできた岩石で、本殿前にあったのが社殿造営時に現在地へ移されたという情報もある。
場所を動いても霊験は揺るがず、動産的な性質を持った霊石と言える。
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