岐阜県中津川市苗木
もともとこの高森山(標高432m)に露出していた巨石を利用して山城を築いたことで知られる苗木城。
城郭としてのアプローチは多面的にされていることと思いますが、巨石信仰との関係性について学術的な検討がされた文献にいまだ出会えていません。
目に見えない信仰心であること、そして人の意思が介在しない自然石に着目することは、資料に立脚しにくい議論となりやすいことが、その一因であることは間違いないでしょう。
とはいえ、一蹴されるべきテーマかというとそうでもない。もともとそこにあった巨石と人の関わりを考えることは、一つのテーマ史として看過できないと言って良いでしょう。
関連研究の存在をご存知の方はぜひご教示ください。
大門跡。岩山を取り入れた城郭建築。 |
巨石上の城郭基礎の一部を復元展示。 |
岩に穴を穿ち柱穴となす。 |
四方の眺望は要害としての条件を満たすが、宗教性の検討はこれからか。 |
岩上で馬を洗い場内の水が豊富であると誇示したという馬洗岩。 |
自然の岩の並びに元来法則性はなく、そこに人為的な設計を融合させる。 |
自然を前にして人の心理や観念が否応なく変化したのは軍事拠点も同じであろう。 |
八大龍王大神の祠。明治時代に現地に祠をまつったものというため現状の祭祀設備に惑わされないこと。 |
巨石下からは水が染み出て、枯れない清水として有難がられたという。 |
2020年現在、苗木城の一部の巨石が崩土により下に落ち込み、今後の保存の課題となっている。 |
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