橿森神社(岐阜市若宮町)
橿森神社は岐阜城金華山から続く山塊の端に立地するが、社殿背後の山端に、駒爪岩(駒の爪岩とも)の標示とともに岩が露出している。
社頭の掲示が2種類ある。
古い方の手書きの説明には「大昔神人が駒にのってこの地にくだり、この岩に爪あとを残した」と記されている。
新しい方の御影石に刻字された説明には「神が天馬にまたがり休息した時、天馬が残したという爪痕が残る岩」とある。
この「神人」ないしは「神」が、橿森神社祭神である市隼雄命を指すのかどうかは明示されていない。
市隼雄命はいわゆる皇族にあたるため、それが神人としてまつられるのは首肯できるが、天から降臨するような神とはまた毛肌が異なる。
橿森神社には境内社や小祠も多いため、複数の信仰が融合して今があるような気がしてならない。
多賀神社(岐阜市多賀町)
橿森神社のすぐ北にあるが、町も変わり多賀町の神として独立してまつられている。
多賀の名は、祭神が伊邪那岐神・伊邪那美神の両神であることから近江多賀の神を勧請したものと類推されるが、町の辻に鎮座し、土地の神として地元の方の間で定着している様子が窺われる。
社祠の背後に立石状の岩石が見られる。
特に注連などはなされていないが、玉垣内にあり祠背後という位置関係から、少なくとも現在では神聖視の対象となっているだろう。
現状、境内は整地されており、立石は据え置かれているような配置を見せる。
ただし、この岩石が本来この場所と根続きのものであったか、他所から持ち運ばれたorこの場所に落ちてきたものだったかは不明である。
夫婦神だからだろうか、社は二つの祠に分かれているのに対し、立石は一つであり、片方の祠の後ろにだけ岩石を擁している。
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