佐賀県唐津市湊
玄界灘に面して、湊と呼ばれる海岸沿いに玄武岩の立岩が累々と集積している。
玄武岩が有する柱状節理によって、荒波の浸食を受けた岩盤は石柱状に分離し、さらにその石柱が崩落したと思われる跡が「湊の立神岩」の現状である。市指定天然記念物。
中心石は2体あり、高さ約40mに及ぶという。
この2体を男岩・女岩と呼び、夫婦岩と総称して敬われているという。
民話や伝承が付随するのかは調べていないが、九州各地には海岸に屹立する岩礁をしばしば「立神」と呼んでまつる信仰があり、その一例として認めることができる。
崩落の危険があるため近くに寄らないよう立入禁止の看板があるが、立神岩の説明板はその中に入らないと読めず、何度も出入りしているであろう足跡もあるので、10年以上前の情報ではあるが自己責任でお邪魔した。
すると、立岩群の狭間には人工的に岩窟が形成されていた。
岩窟内には石堂があり、堂内には仏像がまつられている。供えられていた生花は真新しく、地元の方によるものと思われるが、定期的に立ち入って手入れをしていることが窺われた。
祭祀方向は、岩窟内から祠を通して、海の彼方を拝む形となっていたことも付記しておく。
岩窟の天井石に当たる巨岩の頂点には石のでっぱりがあった。
頂点にあるので接合面がどうなっているのかは確認できていない。
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