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2021年3月21日日曜日

三徳稲荷社の「なぜ石」(三重県四日市市)


三重県四日市市赤堀


京都祇園の八坂神社の分社。当社は「八阪」の字を用いる。四日市市赤堀地区では産土社として護持されてきた。

当、八阪神社の境内社に三徳稲荷社が鎮座し、そこに「なぜ石」と名付けられた岩石が安置されている。

現地に立つ「三徳稲荷大明神勧請由来」を読むと、昭和26年「御神示」があって、京都伏見稲荷にまつられる三徳稲荷大明神を赤堀八阪神社境内に勧請したのが始まりと記されている。 

三徳稲荷社

「三徳稲荷大明神勧請由来」

昭和戦後混乱期における、吸引力のあった宗教者の存在が窺われるだろう。

「なぜ石」とは何だろうか?
「なぜ」には「撫ぜ」の字が当てられ、「撫でる」の一転訛である。
「なで石」の横に掲げられた看板には祭祀方法が明記されていて、3つのポイントにまとめられる。

  1. 両手で石を数回なでる。
  2. その手で体の悪いところをなでる。
  3. 特に頭の病気、学力向上に神徳があるとされる。


ところで、四日市市にはもう一つ「なぜ石」が存在する。
尾平町神明神社の「撫ぜ石」である。詳細は下リンクで。

撫ぜ石(三重県四日市市)

この2か所の「なぜ石」の共通点として、いずれも別の場所から持ってきた岩石という点で共通する。
「なぜ石」「なで石」という名称をもつ岩石は、管見の限り全国的に類例が多いとは言えず、そのような中で四日市市内に集まる二ヶ所の「なぜ石」が、類似した時期に、類似した出自と経緯、類似した信仰で現在に残ることが興味深い。
三徳稲荷社の社頭に安置された岩石。
こちらの出自も明文化されていない分、気になるところ。

境内の山神碑

境内の百度石


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