兵庫県淡路市尾崎
漂着した祟りの枯木をまつったことから枯木神社の名がある。
境内は海辺沿いに接し、そこに「子宝石」というもう一つの信仰が伝わる。
「子宝石が十個ぐらい横一列に並ぶ」とあるが、現在整備されているのは2個の様子である。
21世紀に建てられた看板として、おそらくこれは不特定多数に見せられる穏当な表現にしたためられたものだろう。
子宝石も後世的な総称の可能性があり、地元でかつて使われていた通称は「ぼぼ石」「おめこ石」「ちゃこ石」「おまんこ石」「こしけ石」だったという(谷川健一編『日本の神々 神社と聖地 第3巻 摂津・河内・和泉・淡路』白水社 、1984年)。
単に女人衆が座るというものではなく、そこにはある種猥雑活気な祭祀行為や信仰のかたちを想像できるだろう。
それら性信仰は、けっして奇異や卑猥の目で見る「消費」の民俗でもなく、臭い物に蓋をするような「恥」の民俗でもないことは、かつて小板橋靖正氏が指摘したとおりである(同氏『赤城山麓の性神風土記』あさを社、1985年)。
人間の活動において、あらゆる願望・欲望を満たすのが祭祀や信仰であり、そこに上下の列をつけるのも人間の営為という視点で、かつておこなわれ、そして現在おこなわれている事物をとらえていきたい。
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