山梨県山梨市西
大石山と呼ばれる山に大石神社が鎮座する。延喜式内社の物部神社の論社の一つである。
この地域を岩手と呼び、岩手八景・山梨市八景の一つに大石山の奇岩群が挙げられる。
大石神社 |
現地看板 |
現地看板および土橋里木『甲斐の伝説』(第一法規出版、1975年)によると、甲石・浮舟石・産屋石・影向石・屏風石・烏帽子石・立烏帽子石・指門石・浮橋石・胎内石・笠石・乳石・子守石・富岩・尾笠石・八畳石・石廠といった名前がついているという。
特に本殿背後の甲石は高さ12m、周囲67~68mで、中心的存在である。
文化年間成立の『甲斐国志』はこの石を「首鎧(かぶと)に似たり」と記し、「御影石」という名で表現しているが花崗岩としての名称を指したものかもしれない。
浮舟石(写真左手前) 甲石(写真奥) |
産屋石(写真右手前) 甲石(写真奥) |
影向石 |
立烏帽子石 |
烏帽子石 |
指門石 |
百足石 |
『甲斐国志』には、神宝に「拳石」があることも記す。
「長四五寸其形握りたるが如し」ということで、長さ15㎝弱でおそらくは手でギュッと握られた跡のような複数の凹部が入った奇石なのだろうと思われる。
これだけの巨岩を擁する神社でも、別で神宝として拳大の岩石を奉ずるという事実に注目したい。
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