長野県諏訪郡下諏訪町 慈雲寺龍の口参道沿い
「信玄が川中島合戦に赴くとき、慈雲寺七世天桂玄長禅師を訪ね戦勝の教えを乞うた。玄長は境内の大石に案内し、大石の霊力を説いて石の上に立ち矢を射掛けるよう命じた。部下が一斉に矢を放ったが一本として玄長一本としてに当たらない。一同驚き、この石の念力の確かさに敬服した。玄長はこの念力のこもる矢除札を授けて信玄を励ましたという。
この話はまた、川中島合戦に赴く途時に慈雲寺の前にさしかかると石の上に立って行軍を見下ろしている僧侶がいた。無礼な奴だと怒って射殺してしまえと矢を射掛けたが一本も当たらない。礼を正して尋ねると、矢除けの霊力があるという。信玄は喜んで矢除けの札を受け兵士に持たせて戦いに向かったという。」(宮坂徹「今に伝わる諏訪地方の信玄伝説」『信濃』第60巻第1号、2008年)
矢除石 |
逆方向より撮影。岩の群集ではなく1個の岩塊である。 |
手前に建つ「遊矢石」の標柱。 |
矢除石に接して鎮座する弥栄冨神社には、社祠の角に1個の岩石がある。来歴不詳だが気になった。 |
参考文献
- 信濃史学会 編『信濃 [第3次]』60(1)(696),信濃史学会,2008-01. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11199581 (参照 2023-11-21)
0 件のコメント:
コメントを投稿
記事にコメントができます。または、本サイトのお問い合わせフォームからもメッセージを送信できます。