奈良県宇陀市 深谷龍鎮渓谷
龍鎮神社境内を上方より撮影。 |
龍鎮神社。深谷川対岸から拝する形をとる。 |
龍鎮滝 |
現地看板によると、当地の滝壺から水を汲みだして、古大野岳(標高578m)頂上の善女龍王に松明を持って日没後に登拝し、下山後に麓の海神社でいさめ踊りを奉納する「壺かえ」の儀礼が伝わる。
「龍鎮渓谷」の名称は1970年代の書籍から見られるが、「龍鎮神社」「龍鎮滝」ではそれ以前の文献から探し当てることはできなかった。
ここ数年でパワースポットとしての知名度が大いに高まった場所の一つだが、聖地の歴史として原像がどのようなものであったかを確かめるのは難しく、また、現在の聖地ブームの中で大なり小なり変容していくことが予想される。
宇陀・室生一帯では室生山・室生龍穴を中心に雨乞いの風習が盛んで(『室生村史』)、各地区にそれぞれの雨乞い行事が存在する。
室生においては雨が降らない時に、松明を持って近くの一番高い山に登るダケノボリの類型が確認されており、龍鎮神社の雨乞いもその文脈の中で語ることができるだろう。
龍鎮滝は上と下に分かれ、上を上龍鎮・青龍神と呼び、下を下龍鎮・赤龍神と呼ぶらしい(「ようおこし室生の里へ~みどころマップ~」)。
参考文献
- 室生村史編集委員会 著『室生村史』,室生村,1966. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/3021014 (参照 2024-06-13)
- 「ようおこし室生の里へ~みどころマップ~」https://www.city.uda.nara.jp/s-suishin/machidukuri-kyougikai/documents/murounosatomidokoromap.pdf(参照 2024-06-13)
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