愛知県犬山市犬山北古券
犬山城の一画、針綱神社境内に1個の岩石が安置されている。
現地看板には「依代 御祭礼にあたり御神霊がお降りになるところ」と記されている。
平たい岩石であり、岩石の上に神降り立つ台座の形状をなしている。
祭礼という定期的な間隔で神がやってくるという、すべての要素が正しく依代的磐座の機能を伝える典型例である。
針綱神社はかつて犬山山頂から別場所へ遷座した歴史を有するが、現社地は犬山の麓であり、そこにこの平石が存する。山の神を麓に招く構図であれば立地も相応しい。
ただし、この岩石が遷座以前からの祭祀の場であったかは明確な記録に出会えていない。
岩石の名称も「依代」ではなかったのではないか。依代は民俗学者・折口信夫の造語だから、それ以前は別の名称で呼ばれていたと思われる。
また、針綱神社と隣接する三光稲荷神社の境内に「御縁の松」と「女陰石」がある。
御縁の松は良縁・所願成就の霊木とされ、その霊験によって良縁を得た一信者が、さらに子宝と安産を願うために奉納したといわれる岩石が女陰石である。女陰石は直接手で触れることで霊験があるといわれる。
0 件のコメント:
コメントを投稿
記事にコメントができます。または、本サイトのお問い合わせフォームからもメッセージを送信できます。