三重県いなべ市員弁町北金井
「伊勢新聞」2024年12月28日記事(https://www.isenp.co.jp/2024/12/28/122275/)で、普段は本殿内にある蛇石が蛇年に合わせて2025年元日から1年間公開されると目にした。
報道にもあるとおり、蛇石には手で触ることができる。
宮司の方にお話を伺うこともでき、写真撮影の許可をいただいた。
蛇がとぐろを巻くような形だから、いつの頃からか蛇石の名で呼ばれた石だという。
自然にできた形とのことだが、私が目の当たりにして触ってみた実感は、縄文時代の石冠のような形をした石だという印象だった。ただし、底面がどのようになっていたかは持ち上げるのを遠慮して未確認である。
注意したいこととしては、金井神社は蛇神をまつる神社というわけではないので、たとえば神社のご神体などの位置づけではない。
金井神社は、地元の人々が伊勢神宮に代参する祈願社として承久3年(1221年)に創建したとの説がある。
境内社には金巖社と呼ばれる社が合祀されている。
「巖」の字から関係が気になるところだが、金巖は地名らしく、社の由来は地頭で現宮司家系でもある種村氏の祈願社だったとされている。
宮司さんがおっしゃるには、蛇石は由来不明ながらも、いつの頃からか拝殿と本殿の間の斎庭にずっと置かれていたのだという。神職家の間でも、これは何だろうという存在だったらしいが、畏れや恐さの対象ではなく愛着をもって置かれていた。
その後、平成に入って本殿を新たに造営した折に、斎庭にあったという蛇石を本殿の中に収めるようにして、以後は基本的に秘匿された。
しかし、それは祟りがあって隠されたという考えではなく、むしろ縁起の良い存在との認識だった。
そこで現在の宮司さんになられてから、蛇年に蛇石を公開する取り組みを始めたそうで、存じ上げなかったが12年前も公開していたらしい。
ということで、祟りではなくご利益のある石として撫でることも許され、現在では蛇の卵にあやかった「たまご石」も授与されている。
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