皆様に良い出会いがあることを願っています。
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まずは私の本から 『岩石を信仰していた日本人』
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本書で発表した岩石祭祀の分類は、先行研究を踏まえて提示した案として、現在でも批判に耐えうる骨子を保てていると思います。
2011年10月9日付 読売新聞朝刊
2012年5月28日付 朝日新聞群馬版
2012年3月 『京都民俗』第29号
変動帯に属する日本列島。変動帯ならではの地質活動(地形・災害)の中で形成されてきた人々の文化を、地質学と人文科学の研究者が多彩なテーマからアプローチ。
日本列島には、岩や石を神聖なものとして扱う文化があった。書評
神や仏にまでなりえた岩石とは何だったのか。人が単なる岩石に神聖さを感じる、その心の動きとは何だったのか。
物言わぬ岩石を調査すると、そこには多くの人々の歴史が渦巻いていた。文献史学・考古学・民俗学の片隅でずっと忘れ去られてきた岩石信仰の歴史を明らかにする試み。
2011年10月9日付 読売新聞朝刊
2012年5月28日付 朝日新聞群馬版
2012年3月 『京都民俗』第29号
文理融合の岩石の論集 『変動帯の文化地質学』
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第2部第2章「岩石信仰研究の視点」を吉川が担当しました。見出しは下のとおり。
『月間MdN』の「君の名は。」特集号(2016年)で、コラム「『君の名は。』を通して知る日本の岩石信仰」を寄稿しました。映画をご覧になった方はどうぞ。
- 岩石信仰の概念
- 自然石の信仰を研究する難しさと重要性
- 観察方法
- 岩石信仰の起源に関する論点
- 岩石信仰の現在地と未来
2024年に大改訂された地学事典。新たに追加された事項「磐座」の執筆を担当しました。地学に関する教育・普及項目として収録されましたので、自分の独りよがりはできるかぎり省いて、資料からわかる事実と磐座を巡る現状の記述に徹しました。
一般向け 「巨岩に会いに行く」特集
雑誌『NAGI』2023夏号(93号)の巨岩特集号に、「岩石信仰の世界とどう対峙するか」というコラムを寄稿しました。
『NAGI』は三重県のローカル誌ですので全国流通していません。発行元の月兎舎のインターネット販売ページ(上画像のリンク)からご注文をおすすめします。
一般向け 「君の名は。」特集
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『月間MdN』の「君の名は。」特集号(2016年)で、コラム「『君の名は。』を通して知る日本の岩石信仰」を寄稿しました。映画をご覧になった方はどうぞ。
私の紹介記事は↓
https://www.megalithmury.com/2016/09/blog-post.html
研究の出発点 『神道考古学講座』
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日本の岩石信仰を研究するなら、考古学者の大場磐雄先生を看過することはできません。
神道考古学の立場から、神道の起源を考古学の側面からアプローチした大場先生は、いわゆる磐座・巨石に関わる祭祀遺跡の事例を多く調査・考察しました。
大場先生の数々の著作の中で研究が網羅されているものとして『神道考古学講座』シリーズ(全6巻)を紹介します。私をこの世界に引きずり込んだきっかけの書でもあります。
考古学史上では半ば古典に属す作品のため、現在の研究状況とは異なる部分も見られます。その点ご留意ください。
大場先生の数々の著作の中で研究が網羅されているものとして『神道考古学講座』シリーズ(全6巻)を紹介します。私をこの世界に引きずり込んだきっかけの書でもあります。
考古学史上では半ば古典に属す作品のため、現在の研究状況とは異なる部分も見られます。その点ご留意ください。
- 第1巻 前神道期
- 第2巻 原始神道期 一
- 第3巻 原始神道期 二
- 第4巻 歴史神道期
- 第5巻 祭祀遺跡特説
- 第6巻 関係特論
大場磐雄先生に続く岩石信仰研究の先学として、民俗学者の野本寛一先生を紹介します。
先生の著作群において初期作に属する『石の民俗』は、岩石をテーマにした稀有な民俗誌。
先生の著作群において初期作に属する『石の民俗』は、岩石をテーマにした稀有な民俗誌。
調査というものは、これほどまでに仔細であるべきで、そして、調査対象への敬意をもって接しないといけないのだと、野本先生の姿勢から学ぶべきこと多々です。
五來重氏の『石の宗教』は、岩石信仰に関する市販書の中では文庫版で再販され、求めやすい価格で入手できます。
仏教以前の積石・列石信仰から石仏・石塔・修験道まで、仏教から民間信仰までをつなぐ一冊。
仏教と民間信仰の間 『石の宗教』
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五來重氏の『石の宗教』は、岩石信仰に関する市販書の中では文庫版で再販され、求めやすい価格で入手できます。
仏教以前の積石・列石信仰から石仏・石塔・修験道まで、仏教から民間信仰までをつなぐ一冊。
安易なフィールドワークを戒める 『調査されるという迷惑』
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フィールドで出会う人はけっして"珍奇な観察対象"ではなく、あなたと同じ尊重されるべき一人一人の人間なのです。
日本の古典から明治時代の鉱物学書にいたるまで、砂石・岩石・玉石に関わる記述をあまさず取り上げた大作。
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2018/08/2018.html
仏教考古学で著名な坂詰秀一先生の著作。
この本では、考古学がいかなる方法で歴史を解釈して、宗教という目に見えないものを研究していくかという方法論の模索に主眼が置かれていることが白眉。
人間の心理を考古学するということがいかに難題かを知っておけば、安易に祭祀遺跡や祭祀遺物を評価しないようになれます。
考古学で祭祀を取り上げる事始めの書として一読をお薦めします。
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2018/08/2018.html
心理考古学の視点 『歴史と宗教の考古学』
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仏教考古学で著名な坂詰秀一先生の著作。
この本では、考古学がいかなる方法で歴史を解釈して、宗教という目に見えないものを研究していくかという方法論の模索に主眼が置かれていることが白眉。
人間の心理を考古学するということがいかに難題かを知っておけば、安易に祭祀遺跡や祭祀遺物を評価しないようになれます。
考古学で祭祀を取り上げる事始めの書として一読をお薦めします。
季刊考古学の別冊シリーズの一つ。
沖ノ島特集ですが、沖ノ島といえば磐座遺跡。
その磐座の位置づけに対して、2018年時点の考古学論壇をこの一冊で知ることができます。
磐座論について対立している研究者もおり、面白い。
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2018/12/blog-post.html
沖ノ島特集ですが、沖ノ島といえば磐座遺跡。
その磐座の位置づけに対して、2018年時点の考古学論壇をこの一冊で知ることができます。
磐座論について対立している研究者もおり、面白い。
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2018/12/blog-post.html
現在、学説の主流を占める祭祀考古学 『神と死者の考古学』
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國學院大學教授の笹生衛先生の著書。
笹生先生は、古墳時代~古代における祭祀考古学研究の第一人者と言って良いでしょう。
現在、学史的には笹生先生の構築された「神観」が通説的見解として認められつつあり、それに対して後学の研究者がどのように検討を加えていくかが注目されます。
笹生先生は、古墳時代~古代における祭祀考古学研究の第一人者と言って良いでしょう。
現在、学史的には笹生先生の構築された「神観」が通説的見解として認められつつあり、それに対して後学の研究者がどのように検討を加えていくかが注目されます。
大平茂先生が2008年に著した『祭祀考古学の研究』。
大平先生は大場磐雄先生の神道考古学を発展的に踏襲したうえで、この本で祭祀考古学の学問的な枠組みや世界観を提示しています。
個人的には、笹生衛先生の祭祀考古学研究との比較で読みたい。
大平先生は大場磐雄先生の神道考古学を発展的に踏襲したうえで、この本で祭祀考古学の学問的な枠組みや世界観を提示しています。
個人的には、笹生衛先生の祭祀考古学研究との比較で読みたい。
文献史学からの祭祀解釈 『神社の古代史』
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考古学者は文献史学・民俗学の専門家ではないので、信仰・祭祀の世界では考古学者自身の経験則や主観に基づく危険な解釈もしばしば。
そこに問題提起をしたのが、古代祭祀を専門とする文献史学者・岡田精司先生。神道的な言説世界がどのようなものだったかを解きほぐし、そこから考古学の祭祀解釈を激しく批判する先生の姿勢には学ぶこと多々。もちろん、文献史学に偏りすぎなのも一考。
現今の祭祀考古学研究では岡田先生の批判は看過されているところもあるような。その意味でも再び読みたい一冊。
現今の祭祀考古学研究では岡田先生の批判は看過されているところもあるような。その意味でも再び読みたい一冊。
祭祀遺跡の発掘成果に立脚した論説 『考古学からみた古代祭祀』シリーズ
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古代信仰に関するさまざまな「通説」を、あくまでも考古資料を第一に据えて批判的に検討。現今の祭祀考古学的言説に対する刺激的な視点にも富んでいます。
岩石との関係では、湧水・導水に付属する石敷遺構についての知識習得に最適です。
文理融合的な石の哲学と現代思想『石を巡り、石を考える』
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ポップに石の深みを語る 『石はきれい、石は不思議』
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石の魅力にとりつかれた人たちの文章が半分、フォトギャラリーが半分のブックレット。
制作陣は、鉱物科学研究所所長の堀秀道氏、宗教学者の中沢新一氏、『石の来歴』の小説家・奥泉光氏、写真家の中里和人氏、津軽の石のコレクターである牧野喜美雄氏と石戸谷秀一氏ほか。
制作陣は、鉱物科学研究所所長の堀秀道氏、宗教学者の中沢新一氏、『石の来歴』の小説家・奥泉光氏、写真家の中里和人氏、津軽の石のコレクターである牧野喜美雄氏と石戸谷秀一氏ほか。
岩石をどのようにアプローチするか、思考の幅が広がるラインナップ。
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2019/04/isihakirei.html
私の書評は↓
https://www.megalithmury.com/2019/04/isihakirei.html
なぜ石を拾ってしまうのか 『いい感じの石ころを拾いに』
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作家の宮田珠己氏が、いつのまにか好きになってしまった石に対して、なぜ自分がそんな気持ちになったのか文章で再構築しようとするエッセイ。
石をいろいろな面に分解して分析してみたり、当事者として石に拾いに行きながら考えたり、他の石好きにインタビューしたり。
石を偏愛する自分を俯瞰的にセルフツッコミする内省的行為を文章化しているところに、石を拾わない私もところどころ共感。
石好きな人の心的理解として、この本を名刺代わりに使いたいぐらいです。
岩石を思想したい時の先学の思想が詰まった手始め書。当HPの「岩石の哲学」コーナーでは、堀口大學「石」、草野心平「石」、尾崎放哉「石」、上村貞章「石の表情」、薄田泣菫「石を愛するもの」、唐木順三「石」、小泉八雲「日本の庭―抄―」、久野正雄「愛石志 抄」、竹山道雄「竜安寺石庭」、會津八一「一片の石、澁澤龍彦「石の夢」、豊島与志雄「狸石」、中沢けい「ひでちゃんの白い石」、宇佐美英治「殺生石」、矢内原伊作「石との対話」を紹介。
たえずプレミア価格がついています。稀に1万円未満で販売される時も見かけます。その時が狙い目です。
石を偏愛する自分を俯瞰的にセルフツッコミする内省的行為を文章化しているところに、石を拾わない私もところどころ共感。
石好きな人の心的理解として、この本を名刺代わりに使いたいぐらいです。
岩石の哲学を随筆思想から 『日本の名随筆 石』
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磐座ガイドブックの古典 『磐座紀行』
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池田清隆氏の近著『磐座百選』は、その名のとおり、日本全国の磐座を百ヶ所選出したもの。
ガイドブック的な読み方もできますし、池田氏の岩石への真摯なまなざしを感じる思想書としても読めます。
比較的訪れやすい磐座を収録しているので、入門者はぜひ現地探訪のお供にも。
ガイドブック的な読み方もできますし、池田氏の岩石への真摯なまなざしを感じる思想書としても読めます。
比較的訪れやすい磐座を収録しているので、入門者はぜひ現地探訪のお供にも。
縄文時代の信仰研究 『心と信仰』
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文献がまったく存在しない縄文時代の祭祀・信仰をどのように研究するべきか。純然たる科学の一分野としての立場から、理論考古学・民族学など最新の分析視点に基づく論考を収録。
従来より巷間で人気の配石遺構天体運行説を批判的に論じる太田原(川口)潤氏「大規模記念物と二至二分」、他学問の概念をあえて安易に利用せず遺跡の分析から抽象概念を解いた丹羽佑一氏「他界観念」、石棒や配石遺構などを祖先祭祀のモニュメントとした谷口康浩氏「祖先祭祀」などが興味深い。
民俗学者・倉石忠彦先生が長野県をフィールドにして道祖神を総合的に調査して2021年刊行。2023年に亡くなられる前の集大成的な大著となった。
従来より巷間で人気の配石遺構天体運行説を批判的に論じる太田原(川口)潤氏「大規模記念物と二至二分」、他学問の概念をあえて安易に利用せず遺跡の分析から抽象概念を解いた丹羽佑一氏「他界観念」、石棒や配石遺構などを祖先祭祀のモニュメントとした谷口康浩氏「祖先祭祀」などが興味深い。
修験道の考古学、山岳宗教の考古学を専門とされる時枝務先生の著作群の一つ。
表紙に山形県の垂水遺跡を採用しており、奇岩・巨岩ファンにとってはニクい選出でしょう。
修験道・山岳仏教は、仏教・神道・道教・民間信仰が混然となった極めて難解な研究対象。「日本的な信仰なるもの」を理解するうえでもお薦めしたい本です。
表紙に山形県の垂水遺跡を採用しており、奇岩・巨岩ファンにとってはニクい選出でしょう。
修験道・山岳仏教は、仏教・神道・道教・民間信仰が混然となった極めて難解な研究対象。「日本的な信仰なるもの」を理解するうえでもお薦めしたい本です。
古代山城がかつて「神籠石」と呼ばれ、聖域説・山城説で考古学史上の一大議論となったことは有名です。古代山城や城郭にとどまらず、祭祀の領域においても神籠石の確かな勉強ができる一冊としてお薦めします。
道祖神の石碑と自然石の関係 『道祖神伝承論・碑石形態論』
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民俗学者・倉石忠彦先生が長野県をフィールドにして道祖神を総合的に調査して2021年刊行。2023年に亡くなられる前の集大成的な大著となった。
石碑としての道祖神のほか、自然石のままの道祖神の存在にも着目。路傍の石神への解像度が高まる1冊。
倉石先生の道祖神論については、次の記事も参考としてください。
人文学諸領域の学際的研究 『古代の信仰・祭祀』
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古代日本の信仰・祭祀について、2018年時点での新進気鋭の研究を収録した論考集。
文献史学・民俗学・考古学他のさまざまな学問領域の研究者が参加し、学問の枠を飛び越えた学際的研究の視点が味わえます。個人的に注目した論文は下記。
文献史学・民俗学・考古学他のさまざまな学問領域の研究者が参加し、学問の枠を飛び越えた学際的研究の視点が味わえます。個人的に注目した論文は下記。
- 笹生衛氏「神祇祭祀の起源と史的背景—祭祀考古学の視点から—」
- 松尾充晶氏「出雲の古代祭祀と神・社」
- 穂積裕昌氏「伊勢地方の祭祀・信仰―祭祀考古学からみた古代祭祀―」
- 白江恒夫氏「言霊と祝詞」
- 松尾恒一氏「民俗から考える古代の信仰と祈り―仏教伝来以前―」
- 有働智奘氏「神祇と仏教伝来」
- 時枝務氏「神仙思想と山岳信仰」
1980~1982年にかけて朝日新聞「こころのページ」で連載されていた全国各地の石、岩物語の聞き取り集。自然石・石造物の別を問わない。
「もとより石が声を発するわけではない。人が、石を以て語らしめるのだ」の美文があらわす優しく丁寧な取材。
新聞に掲載された151記事のうち80記事の収録にとどまるということで全貌は新聞縮刷版(大阪版)まで辿る必要あり。
静岡県の岩石信仰・奇岩怪石のガイドブック 『石は語る』
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静岡新聞日曜版の連載を書籍化。昔はネット記事にも公開されていましたが、今はこの書籍を買い求めるしかありません。
県内の石を紹介。信仰や民話に限らず、現代建築、芸術、地学の石も。時々ハッとする聞き取りがあります。
岡山県の郷土史家・八木便乗氏が残した、ほぼ唯一、本書にしか収録されていない岩石信仰・岩石祭祀に関する事例の数々。
県内の石を紹介。信仰や民話に限らず、現代建築、芸術、地学の石も。時々ハッとする聞き取りがあります。
岡山県の岩石祭祀事例集ともいえる 『岡山の祭祀遺跡』
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考古学的な祭祀遺跡、文化財認定を受けていないものも多いが、本人の貴重な実測図つき。
水石・鑑賞石の愛好家の立場からみれば、岩石信仰も自然の石を愛でるという文化的行為であり、佐藤氏はそれを「自然石文化」として提唱されています。
いわゆる巨石・磐座業界において佐藤氏のこれらの仕事が知られているとは言えず、新しい視点からの紹介になればと思いこのカタログで掲載しました。
随時追加予定…
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その他参考文献
岩石信仰に関わる文献リストをジャンル別にまとめました。元は旧ホームページ(2001年~2015年)に掲載していたものなので、 最近の文献は紹介できていません。本ブログ記事で随時取り上げてまいります。